2011年 03月 05日

エピソード 展開

「わぁー、テレビの中って こんなに沢山の真空管があるんだぁー!」
テレビの取っ手の隙間から中の様子が覗ける。裏側は取り外し出来るダンボールの堅いヤツみたいなので塞がれている。
16インチのテレビは木目調の箱型で、四本の足が付いている。
肇は木目調の全ての面を手で撫ぜながら、愛しそうに語りかけていた。
「チャンネルはゆっくり回すからねっ! ブラウン管の表面はすぐ黒く汚れちゃうから、ときどき拭いてやるからねっ!」
テレビっ子の肇は、これは自分の所有物かのように決め付けていた。

「はやくウルトラマンが観たいなぁ。」
「だけど、巨人戦があると また父さんとチャンネル争いになるなぁ。」
「父さんは絶対野球だからなぁ。オレがまた泣いて権利を奪うのも 悪いしなぁ。。」
末っ子で我がままなとこは、今もそう変わりないことに肇は可笑しかった。
仕事の後の楽しみを、父さんに譲ってあげられなかったことを反省することもあるけど
あの頃はそれが出来なかった。_______ごめんよ、父さん。

新しいテレビが来て、必要以上にはしゃいだものだから、その日はやけに眠たかった。
早く布団に入った。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

・・ ・・・・・・・・・・

・・・・・・・・  ・・・ ・・

・・・ 。。。。。



・・・・・・・
( ピンポーン ) 玄関のチャイムが鳴った。
はっと 肇はソファーから起きてダイニング脇のドアフォンを取って
「はい、佐伯です。」と出た。
「○○○電器です。テレビのお届けに参りました。」
そうだ、さっきまでテレビを置くスペースを作るのに掃除や配置替えしてたんだ。
疲れて ついつい寝てしまった。
新しいテレビ、地デジ対応のヤツ。

「は~い、いま開けまーす。」
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by h_e_r_om | 2011-03-05 21:14 | Comments(2)
Commented at 2011-03-06 19:49 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by h_e_r_om at 2011-03-06 22:00
★ 2011-03-06 19:49 さま
写真も撮らずに、こんなことで戯れております♪
もうすぐ完結します(=´ー`)ノ


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